秋企画八ヶ岳

長期休暇の締めの山行として八ヶ岳(山梨県、長野県)に行ってきました。
台風が来なければ良かったのに……

秋晴れの中、そびえ立つ赤岳、横岳、阿弥陀岳

参加者:3西山 2F今本 2L佐久間 2sEsW豊島 2H松峯 1EW武井
企画・文責:佐久間




9/15(金) 
9/17-20の間に南北八ヶ岳縦走企画として計画していたが、台風18号が台湾の北を通過後直角に進路を変えて日本列島を縦断する予報となって今日で2,3日たつ。ほぼ日本列島縦断は確定的となった。台風の中行くのはさすがに危険なので(といっても去年の大雪山とか笈ヶ岳とかは山の上で停滞していた気がするが……)入山延期とした。ここまでの秋企画は
赤ハゲ・白ハゲ→撤退
劔→完遂
魚沼三山→完遂
八幡平→完遂
中ア縦走→完遂
台湾→権利上山に登れなかった
でかなり完遂が多く、自分たちも完遂したかったのだが仕方がない。萩の松陰神社で凶のおみくじを引いて「現時点ではなにもやらんほうがよいぞや」というお言葉を賜ったが、その通りなのだろう。

9/16(土) 天気:雨
今日は、台風18号が16日から18日朝の間に日本列島を縦断する予報になっていたため、18日午後からの入山ならばいけるだろう。また、その場合(この企画は予備日を設けていない、というより学科のガイダンスがあるために日程を伸ばせない)、北八ヶ岳と南八ヶ岳の縦走は時間的に不可能のため、今回は麦草峠から南を行くこととし、さらに編笠山、権現岳はカットする方針を固めた。具体的には以下のような予定とした。
18日(月)茅野=麦草峠~青苔荘(0.6p)
19日(火)青苔荘~東天狗~硫黄岳~赤岳鉱泉(8.7p)
20日(水)赤岳鉱泉~阿弥陀岳~赤岳~横岳~硫黄岳~赤岳鉱泉~美濃戸口(9.0p)
実線:当初の予定
青線:台風通過後の変更ルート
赤線:実際のルート


9/17(日) 天気:雨、強風
台風が来ている中、Fや銀マットの買い出しをして山行の準備をする。その一環として美濃戸口からのバスを調べていたら14:45発のバスが最終であることが判明した。現時点では昨日決めた予定に従うことにしたが、時間が押すようならば阿弥陀岳、赤岳のピストンに変更することを視野に入れて行動することにした。また、硫黄岳~横岳~地蔵の頭~行者小屋も硫黄岳~赤岩の頭~赤岳鉱泉~行者小屋とほぼ時間が変わらないので2日目に可能な限り横岳に行くこととした。


9/18(月・敬老の日) 天気:晴れ
茅野14:00=(アルピコ交通バス)=15:05麦草峠15:16~15:45青苔荘▲1

茅野13:30集合。特急アプローチを意図的にした豊島、逆方向の中央線に乗ったせいで予定の電車に間に合わなくなり、そうせざるを得なくなった今本以外は鈍行。ホリデー快速ビュー山梨号は台風の翌日と言うこともありすいていた。ただ、この電車は小淵沢止まりで茅野に行くには40分程度小淵沢で待つ必要があり、実は大月で乗り換えても変わらないという……残念な電車だ。
茅野のエレベーター横にザックを置いた後、地図を書いていなかった2年会どもは急いで書き始めた。昨日やっておけよ。それが終わった後、アルピコ交通の窓口でバスの切符を購入してからバスに乗った方が西山さん曰く良いそうなので買いに行く。麦草峠まで1450円。
バスは停留所に着くといちいち時間調整を行い、早着することなく麦草峠に着いた。白駒池まで行っても良かったが、一応ルート外なので行かない。値段も同じなのにな……麦草峠は晴れてはいるが少し肌寒く、台風の影響で風が強かった。
青苔荘までの道は去年の八ヶ岳企画でも来ているところで、ガスっていて無駄に長いと感じていたルートだったが、今年は少しぬかるんでいる箇所があるが、整備されているので歩きやすいルートだと判明。12月に膝を怪我してから初めての山行となる、松峯の膝の状態も(この辺の平坦な箇所では)問題なさそうである。
青苔荘は読み通りの時間に到着。一人あたりテン場代800円(トイレ代は始の使用時に100円を支払う方式)を支払い、テントを張る。他にテントを張っている人はいない。台風の後だからだろう。管理人の方は5時には帰ってしまうようだ。確かに3連休の最終日で明日は社会人ならば平日だ。人も来ないだろう。
テント設置後すぐサイト。今回のFは実験料理を作る方針で、今日夜は山形村山風芋煮。西山さんが皮付きの小さな里芋を30個ほど持ってくる。筆者と西山さんとで分担して皮をナイフで剥ぐ。その結果として2人の里芋皮むき技術が向上した。何時使うかは不明だが。
結論として、芋煮は結構おいしくいただけた。めんつゆ粉末は味をつけるときにしょうゆなどよりも重量が軽く、かさばらないので使いやすい。米はプラスチック製しゃもじを入れながら炊くという暴挙に打って出た松峯のおかげで少し焦げ、少しプラスチックの味が……してはいないが山行中のネタとしてはおいしかった。というよりなぜ初めに気が付かないんだ?
サイトの間、武井に天気図を書いてもらったが、かなり上手かった。少し低気圧の中心が広かったのでそこを修正するだけ(それも些細なレベル)だった。初めてのWとしてといういい方抜きにして上手い。筆者よりも上手いかもしれない。で、天気図では明日は好天、ヤマテンによると明日は朝と午後風が少し強いという予報。高揚感が生まれる。
横岳方面から行者小屋に抜けるルートを行くリミットを硫黄岳13時(余裕60分)と設定。
宴会などは行わずに就寝。星がきれいに見えた。秋の四辺形は少し暗いので都内では見にくいが、さすがにここではきれいに見える。
白駒池。青苔荘からとったものではないが……

9/19(火) 天気:晴れ、風が少し強い
青苔荘5:24~6:42にゅう7:00~7:47中山分岐7:48~(空身)~7:59中山展望台8:03~(空身)~8:16中山分岐8:26~8:36中山峠~(たるみ1回、10分)~9:47東天狗9:48~(空身)~10:03西天狗10:08~(空身)~10:22東天狗10:36~11:10根石岳山荘11:22~(たるみ1回、10分)~12:02夏沢峠~12:55硫黄岳13:20~(たるみ1回、11分)~14:53赤岳鉱泉~(たるみ1回、10分)~15:39行者小屋

4時起床。朝はジェノバ風ラーメン餅。ジェノベーゼに餅を入れたもの、麺はパスタ。ゲテモノ臭がしたが、あっさりしているので意外にもまずくなかった。普段ならチキンラーメンに餅を入れるので味に飽きるが、それもあっさりしているせいか飽きることもない。
にゅう方面から中山峠に抜けるルートはワンゲル初トレース。とはいってもぬかるんでいる箇所が多い以外にはこれと言って危険箇所もなく、頂上まで樹林帯が続く。にゅうまでは読みの1.1倍程度のペース。にゅうは頂上付近が大岩になっており、東側が切れている。景色はそこそこ良いので八ヶ岳全体としてみたら面白くはないが、単独峰だったら気持ちが良い山だと思われる。中山分岐から中山は空身。中山頂上は予想通りイモピークだったが、その先2分くらい行くと展望台で、去年は全くガスっていて何も見えなかったが今年は槍ヶ岳、穂高岳の稜線もはっきりと視認できるほど。そして人が全くいない。非常に良いことが重なっている。風は強いのだが。
中山峠から東天狗の間でたるみをとった時に地図読みを行う。松峯、武井共に正解。この辺では今本が「退屈だ」とか何とかでオートマシンの話から「ウミガメのスープ」という論理パズルをずっと西山さんとしていた。いかにも東大生的話題である。
東天狗の頂上付近はさすがに人が多くなった。東天狗の頂上で荷物を置いて空身で西天狗へ。みんなザレ場ですこし石を落としながら進んでいるのが気になる。自分もなのだが。
快晴の東天狗

西天狗から返ってきた時にはもう10:20をすぎており、現時点で読みの1.1倍ペースだった。理由として膝を怪我している松峯が、下りになると膝を気にするため早く下れないから、があげられる。現に、登りは読みとほとんど変わらないペースなのだが、下りで1.2~1.3倍のペースとなっていた。このペースで行くとすると硫黄岳に11:30頃には着いていないと横岳は行けない。ということでこの時点で赤岳鉱泉ルートを進むことに。残念だが仕方がない。
根石岳山荘で水を汲む。今まで水を松峯、L以外の4人に持ってもらっていたが風が強いせいか水は3リットル程度しか減っていない。ここまでで消費された西山さんのポリを満発にする。この際にたるみにして他のパウ水を出しておけば良いものを、そのようなことをしなかったために後でたるみを挟むこととなってしまった。反省。
根石岳山荘から箕冠山方面に進む

硫黄岳に到着する前からLと今本は頭痛がしていた。頭痛薬などは飲まなかったが、Lはパウ水を多めに摂取しフードをかぶって頭を温めた。その結果割とすぐに頭痛から解放された。今本は頭痛から解放されなかったようである。風の影響で冷えたのか、それともちょっとした高山病なのか、それはわからずじまい。だからなのか硫黄岳からの下りはほとんど誰もしゃべる人がいない。
硫黄岳より。南は逆光で顔がわからなかった

行者小屋に15:40頃に着く。やはりこの時期はテントが少なく、10張り程度しかなかった。一応武井にはもう一度天図を書いてもらいつつ、2年会以上はサイト。今日はトマトチーズ鍋。カットトマト缶を投入後、パルメザンチーズを少量ずつ固まらないように入れる。夏合宿藪隊で偶然できた料理を発展したものだが(その時は筆者がメニューを考えた)、その時と比べてチーズがきちんと溶けているので美味しい。カッポジ(鍋についたものをスプーンで食べつくす行為)も全く苦にならない様子。松峯の米炊きも今回は失敗しなかった。一安心。
明日の方針を決める。松峯の膝は下りの階段では良くないだろうと言うことで、文三郎尾根を登りまず赤岳を討ち、それから阿弥陀岳を討って帰ることにする。
そして7時から宴会、だが今本は疲れていたのかもう寝ていた。他の5人でぐだぐだと行う。恋愛系の話題で2時間くらい盛り上がる。豊島が女装が似合うだの、豊島にいい人を紹介するだの、西山さんの恋愛事情だの、そんな話題。山行中まじめな話題が多かった(というより論理パズルしかしていない気がする)ので、その反動というところか。


9/20(水) 天気:曇りのち晴、風少し強し
行者小屋5:31~(たるみ1回、10分)~6:29文三郎尾根分岐~6:53赤岳7:05~7:28文三郎尾根分岐~7:56中岳のコル8:01~(空身)~8:20阿弥陀岳8:33~(空身)~8:51中岳のコル8:54~9:26行者小屋9:57~(地図読み6分、たるみ1回、10分)~12:10美濃戸山荘12:28~13:19美濃戸口 (行者小屋~赤岳~中岳のコル~行者小屋はsub装)

4時起床。今日は肉そば。「乾麺を使ったそばを作っていなかったから作ってみたかった」という今本の理由だが、乾麺そばは夏合宿藪隊で作っている。現に、このところ大活躍しているめんつゆ粉末は夏合宿の藪そばで使用したものだ。
そばを乾麺にしたせいでどろどろのなんだかよくわからないコンビーフ味のものができあがる。戻しそうになりながらなんとか流し込む。山の中で乾麺は使えないことをまた学習した。
Sub装にするのに戸惑いながら5:30に出発。朝食べたなんたるかわからないものが胃から逆流しそうだったので40分間(普段は50分)でたるみをとり、一回落ち着かせてからまた出発した。
文三郎尾根。整備された階段が続く

赤岳直下は岩場だが、さほど危険な岩場ではない。ただ、風が強いので岩を触る手が冷たい。筆者はフードをかぶって頭は守っていたが、手のことは考えていなかった。クライミンググローブとは言わないが、軍手を持ってきた方が良いだろう。赤岳頂上も狭い。阿弥陀岳までピストンする際は頂上山荘の横にザックを置かしてもらうのが賢明。
赤岳山頂にて。

引き返して中岳を行、中岳のコルに着く。ここは割合広い平坦箇所でザックを置くスペースは十分。ザックを置いて阿弥陀岳まで空身ピストン。はしごはあるが、かなり頑丈で外れる心配はほとんどない。阿弥陀岳で合掌の後、下る。中岳のコルからの道は少し前に土砂崩れで登山道が崩落したため地理院地図とは違う道になっている。一カ所滑りやすくロープが張られている箇所があるが気をつけて歩けば問題ない。エアリアには水場ありの表示があるが、水場なんてない。近くに行者小屋があるんだから、おとなしく行者小屋で汲んでほしい。
行者小屋でテントを撤収したが全体的にかなり怠慢な動作だった。無駄に時間がかかりながら出発。
一回西山さんが地図読みを出題したが、松峯は正解。sL権者の今本と豊島、それと武井がミス。かなりわかりにくい場所であったのは確かだが、正解してほしかった。というよりyoutuberの話で盛り上がりすぎて周りを見ていないのは問題だろう。
たるみの後はLと西山さんだけがずっとしゃべり続けた。今までずっとしゃべってきた今本は静かになっているし、他の面子は全くしゃべらなかった。松峯は急でないこの辺の下り坂も膝を気にしてか筋力の衰えか知らないがかなり遅いペースになっていた。
美濃戸山荘は下界。コーラとかを売っている。西山さんはここに来るとリンゴをいつも食べ、そしていつも唇が腫れるそうだ。今日もまたリンゴを食って、そして唇を腫らしていた。山行中にやめていただきたい。筆者は赤岳バッチを購入できて満足。(後日談だが、次の日一日晴れていたようだ。体調面的にやめておいたほうが本当に良いのでは……?)
林道区間は他の4人が早く行ってしまったが、Lは松峯のペースに合わせて下る。下りになるとだいたい読みの1.2~1.3倍のペースとなっていたし、今回の区間もまたそうだった。暇だとか言ってしりとりを始める。不毛。
その後風呂に入って茅野駅に行き、架空の打ち上げがあった松峯を除く5人で打ち上げ。東京へと帰還した。

総評
八ヶ岳は人気の山のためいつも異常に人が多いが、この時期に行くのは人が少ないので良いと思われる。ただ、台風で天候が崩れたり、強風が吹き荒れたり可能性があるので天候判断は十分したほうがよい。
3日間きれいに晴れてくれたおかげで完遂はできなかったが良い山行であったと思う。
また、八ヶ岳のエアリアのピッチは全体的にsub装や日帰り登山者が多いために甘読みしているので、0.8倍読みではなく0.9倍とか等倍読みでも良いだろう。


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