奥多摩 巳ノ戸谷・鷹ノ巣谷

2009年度山行No.14 沢sL企画巳ノ戸谷・鷹ノ巣谷
企画者:鈴木
面子:OB1白濱(鷹ノ巣のみ) 4秋山 3L大城 H広瀬 2sL鈴木 被EFW長崎 1初高梨 初蓜島
日程:2009/6/27-28

夏合宿日高を見据えた沢L養成最終段階。自分の沢L取得と、高梨蓜島をNにすることを目標とした山行である。
丹沢だとヒルに気を取られて環を閉め忘れるだろうし、沢中泊もやめとけと忠告されたので消去法的に慣れ親しんだ奥多摩から面白そうな巳ノ戸と近くの鷹ノ巣を選んだ。
遡行図は『東京周辺の沢』を使用した。


6/26(金)
白丸駅=奥多摩駅=八丁橋(下降点まで15分くらいのところ)▲0
秋 山さんの車でアプローチし、途中白丸で自分、奥多摩で長崎を拾う。長崎は電車の時間を調べず白丸での待ち合わせ予定時間の次の電車で来たので奥多摩まで電 車リカバーさせる。奥多摩駅のポストに計画書を提出し、長崎が来たところで入山連絡を入れて八丁橋まで。わりとほかの車も入ってくる。高梨が沢装を買って 来ていたのでロープスリングの作り方(ダブルフィッシャーマン)を教えた。下界訓練をして就寝。

6/27(土)
4:10八丁橋〜4:30 下降点〜5:30出合〜6:15大滝下6:25〜7:15大滝上〜9:10F2上〜11:40F3上11:50〜14:55たるみ15:05〜16:40 遡行終了〜17:05仕事道17:20〜18:20林道〜18:35八丁橋19:00=19:20東日原▲1
八丁橋から沢装で出発。下界訓練の時 もだったが高梨のハーネスがねじれている。新品だからだろうか。体操長崎で出発。下降点らしき場所は見当たらず、下山に使う仕事道の看板を確認してから少 し引き返し、「3km」の看板のあたりから降りる。踏み跡らしきものがあったが地面がもろく、初心者はザイル手がかりに巻き結び、懸垂×2(ダブルで一回 でも可能)で出合の目の前に降り立つ。本流は膝程度だが一応スクラム渡渉。
2mは右水流中をTR、倒木のある2mくらいの滝もTR。どちらも濡れずに巻ける。ここまではわりと平凡な感じである。
大 滝下で少し早いがたるみ。大滝はオーソドックスな美しい滝だった。自分と長崎で右巻きを探すが、ガレを少し直上して自分はさらに上、長崎に左のトラバリを 見に行かせる。長崎が詰まっているようなので自分が上からTRしようとしたが、あとから来た秋山さん広瀬さんが長崎方面に踏み跡があると言うのでそちらを 見ると確かに明瞭な踏み跡があり、てがかり(あまり意味なし)→Fixで滝上まで通した。ここは自分が本命の踏み跡を見るべきだったが、長崎に見つけてほ しかった。

大滝から少し行くと核心の忌山の悪場。深い釜を持った滝が連続しており、迫力がある。
最初の2m、5m、4mは自分が右巻き、長崎は2mを直登して残りは右壁を登って2段TR。(2m水流中→5m4m右壁)
次 の核心中の核心、4mとF2は長崎に左から巻かせてTRてがかりで上げようとしたが、F2の釜に安全に待機できる場所がなく、厳しそうなので左巻きにす る。4mの釜のトラバースは下の4m滝の落ち口を通るので、ザイル手がかりに巻き結びをつけさせて右岸に初心者を移動させ、ルンゼ状をTR→てがかり(本 来は不要)→Fix→手がかりでF2上右岸に到着。これくらい頭を使わないと面白くない。次の3m滝はTRをつけて左岸にトラバースさせ、釜をへつって右 壁直登。次の2mは右TR。支点にせっかくなのでハーケンを2枚打ったが、周りに木は結構あったので不要である。つぎの3mと2mは左岸上の立ち木とハー ケンで流動分散支点のTR。水流中→右斜面→ロアーダウン。水流中で初心者が結構苦戦していたので、3mは左岸の立ち木からランナーをとって右から登らせ ればよかった。ここは支点作成に時間がかかったので長崎にF3を見に行ってもらったが、空身で登ろうとしていたので注意する。
F3は左壁を直登し て落ち口にトラバースもできるが、初心者はTRてがかりでまっすぐ上げる。F3上のナメ滝(左巻きフリー→沢床まで手がかり)の最後で高梨が足を滑らせ る。巻き結びをさせるべきだった。ここでタルミ。この辺で自分は環の締め忘れをしてしまった気がしてとても不安だった覚えがある。

この先 は遡行図にない滝が大量に出てきた。鞘口窪出合のすぐ上の2m滝と1.5m滝はTR→手がかり。5mくらいの滝を右TR。4mを左TR。3m滝をTR、 6m滝は右TR、すぐ上の3m滝二つは自分と大城さんで2段TR。手掛かりでもよかったかもしれない。次の2m、3mは下流から見て逆くの字だったが、自 分は疲れて冷静さを失っており、右手掛かり→右TR手掛かり→手掛かりで無理やり処理した。もっと効率の良い方法があったはずである。またここの工作で ザック大の石を長崎が落とし(自分がおかしな所を無理やり登らせたから)、自分のザックに当たりそうになって肝を冷やした。その様子を見た大城さんにたる んだら?と忠告されたので、次の5mくらいの滝をTRであげてたるみ。ちなみにここは沢が二つに分岐してまた合流しており、なんだか不思議な光景だった。
次 の5m滝は恐らく遡行図の⑥である。自分は右巻き、長崎に手がかりを出して水流右を直登させ、初心者をTRてがかり。3m階段状?は左TR。長崎の角度が よくない(自分の位置からはそれほどでもないように見えたが)らしかったので、右岸からランナーをとった。このあたりで仕事道にエスケープしようというこ とになり、上級生が探しに行った。
無事見つかったらしいので、おそらく孫七窪出合の少し手前あたりで遡行を切り上げ、微妙に踏み跡っぽいところを たどりつつヘトヘトになりながら仕事道に出た。スリングてがかり2回。沢装解除して仕事道を下る。基本的によく整備されていて歩きやすいが、途中一箇所崩 壊していたので一年はそこだけ空身で通した。進路が西を向いてしばらくすると道が分岐しており、右に降りるほうをたどる。分岐することを知っていれば見逃 さないだろう。九十九折りの道をたどって小さなつり橋を渡り、そこから5分ほどで林道に生還。疲れた。燃え尽きた。正直みんなもう帰ろうぜというムードで ある。
八丁橋で着替えて車に乗り込む。見晴らし亭前で携帯から天気予報をみると、日曜は降水確率が10、10、20、30なので明日も入渓とす る…。白濱さんにも連絡し、東日原バス停で反省会をやり、秋山さんと別れた。このときツェルトを回収し忘れたことに気づいたが、下界への連絡を怠ってい た。反省します。
サイトは炊き込みごはんとみそ汁だったが、長崎が相変わらず計画性もなしに「具が余ったら味噌汁に入れよう」などと言っている。 サイマスに指定したのに全然働かずに「一年はその辺の野菜切って」とか適当に指示している。大城さんのほうが2年より働いていてもうしわけなかった。広瀬 さんは相変わらずである。3年の差し入れを頂いて就寝。

6/28(日)
5:30バス停〜5:45出合〜8:05たるみ8:15〜8:50くの字下〜9:40くの字上〜10:50大滝下(下降開始)11:05〜12:35くの字下〜15:20出合

昨日遅かったので今日は4半5半。起きたら昨夜自転車で来た白濱さんが寝ていた。サイト中、頭のおかしなおじさんに絡まれ、真面目に対応していた自分は危う くきれそうになってしまった。やっぱり3半4半にすればよかった。そのあと駐在所のおじさんが来たが彼は話のわかるいい人で、計画書を提出しておいた。ち なみに昨日僕の沢L取得のめどが立ったので今日は長崎にRF・工作の判断のほとんどをさせるつもりである。

沢装つけて出発、と思ったら長崎のハーネスがねじれている。おいおい。白濱さんが気付いてくれたからよかったが、二度としないように。さらに長崎は出合に降りる一般登山道に気づかない。
ちなみに朝の一件があったのでデポは出合付近に置いた。

3mはフリー、4mは右巻きをスリング手がかりで7m下まで上げたが、7mの上まで巻き道が続いていたので同じところに手がかりを出し、あとはフリーで7m上まで。しばらく出すところはないが長崎は初心者を全く見ていない。
5m 釜滝は、下部の倒木を越えるのにスリング手がかり、滝自体は右TR。ここではかなり遠くの大木を支点にしていたが、近くの大岩からで良かった。すぐ上の斜 瀑はフリー、堰堤で微妙な倒木からスリング手がかり。本当はザイルを残して手がかりに使うつもりだったらしいが、意思疎通がうまくいかず回収してしまっ た。
次の3m滝とその真上の堰堤は右壁をTRで上げて手がかり+巻き結びで堰堤下におろし、堰堤は右斜面をフリー。多段滝は左を振り子手がかりでトラバース。ここでたるみ。
すぐ上の5m滝は右壁を自分、左巻きを長崎が見るが、沢床に降りるところでイモっているので自分のルートをTR。次の3m滝も右TR。

核心のくの字滝は下+中上に分けて2段TR。下段の角度が悪い。また、沢床に下ろすのに手がかり(+巻き結び)を出した。この判断自体は問題ないが、長崎は支点にエイトノットを作り忘れるという意味のわからないミスを犯す。いい加減にしてくれ。
2段6mは3段に見える。ここは下段を振り子手がかり+巻き結び、残りをTRで水流右を通した。下との意思疎通に時間がかかった。
そ の上の5mを長崎は手がかり+Fix(要ハーケン)で通そうとしたが、面倒なので自分がゴボウで水流中を直登してTR手がかりで通させた。しかし、せっか くなので長崎の判断を尊重するべきだった。そこからはすべてフリーで大滝下に到着。ここから下降する。大滝は巳ノ戸大滝に似ているような感じがした。

下降開始。5mは右岸、6mは左岸懸垂。くの字はダブルで懸垂。長崎の手順があやふやである。ダブル懸垂くらい迷わずにやってほしい。3mと5mはそれぞれ 懸垂。ダブルでまとめてもよい。その後多段滝のあたり?で振り子手がかりを出すが、回収にやたら時間がかかる。その間に下の堰堤に僕がザイル手がかりを出 し、回収しても追い付いてこないので本体はタルミとする。(3m+堰堤上)ここで長崎にしっかり休憩をとらせなかったのは反省している。3m+堰堤は登り のルートまで手がかりで通して懸垂させると言うが、水流際を懸垂で行けそうなのでそうしてもらう。この口出しも余計だった。
5m釜の上まではフ リーだった。行きにスリングを出した釜滝上の堰堤を長崎はスルーしたので「てがかり出さないの?」と問うと手がかりを用意し始め、「出さないという判断な らいいんだよ」というと「じゃあフリーで」と言った。さらに釜滝は落ち口までいってやっと滝の存在に気づいたような動きを見せる。惰性で遡行しているのが よくわかる。釜滝自体は近くの立ち木からザイル手がかり+巻き結び。この判断は良かったと思う。しかしルート確認をせずにいきなり初心者を通そうとしてい た。倒木はフリー。そのあとは特に何も出さずにいくが、長崎の歩みが遅いせいか上級生が長崎の前に出てしまい、RFの練習にならないので待ってもらう。 7m上から左岸の踏み跡をたどる。ここでもいらぬ口出しをしてしまった。また、踏み跡では一箇所手がかりが必要な部分があった。
出合まで出たところで沢装解除してデポをまとめる。長崎は結構疲れたようだ。白濱さんを大分待たせてしまった。出発直前から雨が降り始め、車道に出たころには結構激しく降っていた。自転車で来てしまった白濱さんは憂鬱そうだった。奥多摩で打ち上げして解散。

総評
巳ノ戸谷はハイレベルでsL企画にはもったいない沢であった。上流部は微妙な滝が沢山出てきて面倒なので、忌山の悪場までで下降してもいいかもしれない。その場合林道へのリカバーが面倒なので本流を仕事道のつり橋まで遡行してもいいかも。
鷹ノ巣は消化試合のつもりで出したがわりといろいろな滝があって楽しめた。これまでの養成では僕と長崎の性格や経験差などから僕が主導権を握ることが多かったのだが、長崎ワントップによって課題が浮き彫りになったので、やはり行ってよかったと言える。
この山行で自分は沢L、高梨蓜島は特に問題なくNを取得した。

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