2017年3月20日月曜日

プレツアー焼山


プレツアー焼山FB


   今年のプレツアーは3.3-5の日程で新潟焼山へ行ってきました。積雪状態が悪くピークにこそ行っていないですが、好天の中で焼山北面の大斜面を滑走でき、楽しかったです。反面、九十九折付近など、プレツアーで出すには少し危険だったかもしれないという反省はあります。危険地帯突入の前に、隊の動き方について共通認識を作るべきだったでしょう。ともかく全員無事で下山できて何よりでした。では詳細をどうぞ。
今回のGPSログ。赤が03/03、緑が03/04、青が03/05。



参加者:

OB宮崎               3 L川原、村田       2  F梅宮、久保、武田、H中津、西山   1 E勝木、W幕内




2017.03.02    アプローチ

14時新宿発-23時梶屋敷着


前日が追いコンであったため、睡眠時間的にもしんどければ、装備の確認などもぎりぎりだった。特に今年は人数が多いためにビーコンの確保がとても大変。新宿駅12:30集合にするが、前日の影響もあってかなかなか集まらない。結局予定していた13時発の電車には乗れず、一時間後の終電で行くことになった。終電一本前アプローチという予定の組み方にしておいてよかった。また藤原さんは風邪気味だというので、無理せずに不参加となった。装備の受け取りも新宿駅で済ませ、出発。ホームまで見送りに来てくださった。
18切符有効期間内ということで鈍行(中央線、大糸線経由)で糸魚川まで行ったが、これの長いこと。11時間の旅であった。糸魚川は雨。特に寡雪という話は聞いていなかったが、雪も全くなく、この時期にしては気温も随分と高かった。三セクの日本海ひすいライン(JR北陸本線)で梶屋敷駅へ。広い待合室のある無人駅で、なるほど駅カン適地である。コンビニは1km弱離れていたのだが、数名は歩いて買い出しに。途中雨脚が強まって結構濡れてしまったらしい。



2017.03.03    BCまで移動

梶屋敷0500 -(taxi)- 0540笹倉温泉0620 - 0640(通過) - 0715 650m 0730 – 0800 720m(直登トライ、失敗) 0900 – 0945九十九折最上部(通過) - 10:20 880m 10:35 – 1125 1010m 1150 - 1230 アマナ平(1020m)12501330 1150m(急斜面偵察) 1410 – 1510 BC(1230m)


朝、駅からタクシーに乗って笹倉温泉へ。しかし本当に雪が少ない。笹倉温泉近辺になってやっと路面に雪がみられるようになった。笹倉温泉の時点ではなんと霙。ずいぶん水っぽくてもはや雨に近い。意外と準備に手間取り、笹倉温泉発は日の出た後だった。


笹倉温泉-どんどよ
              除雪終了点(笹倉温泉駐車場のすぐ先)からシール歩行開始。3/1あたりのものと思しきトレースがいくつかあるが、割とすぐに消えてしまった。火打山川にかかる橋は欄干の高さまで雪が積もっていて面白い。九十九折の下までは特に問題なく進むが、ここからが大変であった。急斜面部分では樹林が薄いために吹雪っぽく寒い。しかも積雪がもろくて怖いのである。二月末の晴天でクラストとした氷の板の上に3/2あたりの降雪が10-20cmほど乗っていて、スキートレースの路肩が崩れやすい。雪崩に埋まるとかいう怖さはないが、斜度も相まって滑落が怖い。九十九折の角の部分は比較的平坦なのでそこで待機、トラバース部分は間を空けて通す。それでも一か所、相当急なトラバースがあったので、怖い思いをするよりはと直登を試みた。アイゼンはつけたがピッケルは積雪が深すぎて役に立たず、ストックを使う。積雪は空身だと膝、ザックを背負うと腰か胸あたりまである。主にトップの西山と梅宮がラッセルを頑張ってくれた。しかしながら林道の乗り上げ部分で岩壁(雪の下に隠れていた)に当たって敗退。しょうがないので、今度は中津と久保をトップに出して、怖いトラバースに道をつけてもらう。時間はかかったが何とか通過。九十九折の上部のトラバースもこなす(こっちはそこまで怖くなかった)

そのあとはアマナ平まで緩やかである。途中トップが空沢山へいくルートに引き込まれそうになったりもしていたが、おおむね問題なし。アマナ平手前ぐらいで雪がやみ、晴れ間が差してきた。ここで対岸(高松山-新田山あたり)がみると、あちらこちらに雪庇崩壊や全層雪崩、面発生雪崩が見える。破断面から走路までくっきり見えており、JANの雪崩講習会に参加したメンツはいい復習だと言っていた。なお問題の斜面は対岸にある上に斜度もレベルの場所であるため、身の危険を感じる事はない。アマナ平の上部につく頃には時折日が差し込むまでになっており、影火打や目指す焼山本峰も雲間から姿を見せていた。ちなみにORにとっていた高松山も見えたのだが、上部は比較的狭い雪稜なうえに雪面にしわが寄り、雪庇まである。雪のコンディションにもよるが、TWVで行くのは厳しいかもしれない(というかもっと安全で楽しい山が周りにある)

アマナ平-晴れてきた。

最後、アマナ平からBCの登りあげもまた難儀した。結果的にはアマナ平の林道分岐点から1150mの二瘤の間を行き、その東のくぼ地の中を通って1150m付近で夏道と合流した(末尾のGPS log参照)。くぼ地をいったん下るのが多少面倒でも、このルートが一番確実なようだ。Lは途中から南に向けて登れるだろうと言って村田や宮崎さんに偵察に行ってもらったが、かなり急な斜面だったらしく、村田はワッフ音(雪崩の前兆と言われているもので、積雪に水平に破断が入る音)を聞く羽目になってしまったとか。申し訳ない。なおワッフ音は名前から想像するようなかわいらしい音ではなく、ボコボコッというような、水っぽい音らしい。あな恐ろしや。結局BCについたのは15時ごろ、朝から実に8pの根性日だった。ちなみにBCを張った1200mぐらいはすでに限界上とみていいほどに木がまばら。林道から夏道が出る1150mあたりが実質的な森林限界のようだ。

BCでテントを張って荷物を置いたら雪訓。特にアイピケ歩行は翌日実戦投入ということもあって念入りにやった。毎年恒例の雪洞は1250mのベロの東側。武田・勝木ペア、梅宮・久保・幕内グループとして掘らせる。調理の人数が足りないので西山・中津ペアには翌日に掘ってもらうことにした。着いたのが遅かったのもあって、この日はどこも完成せず。水づくりは異様に早く終わった(雪が水っぽいらしくすぐ溶ける)が、それでも就寝は22時頃になった。



2017.03.04    焼山北面台地滑走

BC 0700 – 0740 1440m 0800 – 0840 1700m 0855 – 1020 1950m(弱層テスト) 1140 – 1220 1500m(モスる、写真etc) 1300 – 1310 BC



朝。いい天気だ。

昨夜寝るのが遅かったので、今朝は6時半出発とした。朝起きるとよく晴れている。雲一つない。朝日に染まりゆく焼山を見つつ出発。1800mあたりまでは景色を見ながらひたすらなだらかな登り。帰りの滑走への期待が高まる。1800mあたりで小さな沢を一つ越え、1850mあたりで下がクラストしてきたのでクトーをつける。1940mまで登ったあたりで、トップをしていた梅宮が、足元の雪が切れたという。どうせ表面に積もったスラフだろうとは思ったが、ちょうどいい機会だったので弱層テストをする(結果の詳細は本文末に添付)。


 焼山へ
日の出


大まかな積雪構造は下(BC周辺、昨日の雪洞作成時に雪面観察をしていた)と変わらず。表面15cmくらいに新雪、その下が20cmくらいまでクラストの氷板、その更に下は柔らかい、といった具合。三か所でピットチェックをしてもらったが、どうも結果が芳しくない。表面のスラフはともかくとして、氷板の下がどうも弱い。ここからは斜度がこれまで以上になるし、横の沢筋の横断も厳しそうである。その上ルートはルンゼ状の部分にあって、気温上昇による自然発生の雪崩に巻き込まれるのも怖い。滑走自体は楽しめそうだし、無理することもないのでここで撤退とする。


撤退地点

シールをはがし、滑降。雪は少し重めだがふかふかで、ロケーションがいいのと斜面が広いのとでかなり楽しめる。広大な斜面をひたすら下る。標高差約750m。いい気分だ。幕内は板を深雪にとられるようでよく転ぶが頑張っている。安達太良の時よりはだいぶ上手になっただろう。勝木や二年会も時々転ぶが、快調に滑る。かくいうL5,6回ぐらい転んだ。大曲あたりまで下ってからモスる。撤退地点は風もあってかなり寒かったがここまで下ると日差しの温かさが勝る。天気も良く、気温も高いのでまるで残雪期のようだ。時間は余裕があるので気分がよかったL皆の気が済むまで長タルミ。ここからBCまでも快調に滑って昼頃にはBC着。
さあ滑るぞ!(BCは写真中央の台地末端)
少し下って。

ここから1,2年会は雪洞を掘り、上級生は埋没訓練の準備。埋没が終わるとイグルーを作ったり(途中でやめた)1200mベロをツボで登って少し滑ってみたりと遊んでいた。雪洞の出来は、時間をかけただけあってどれも快適そうである。一等豪華だったのは梅宮グループのもので、ホテル梅宮として開業(?)していた。武田ペアのところと中津ペアのところはオーソドックスな作りで、暖かそう。

明日からは天気が少し下り坂になるので、空沢分岐までサイトを下ろし、空沢山を滑って6日の朝下山、という方針にする。宴会をして、21時ごろ就寝。



2017.03.05    空沢山敗退、下山

BC 0710 – 0800 アマナ平(1020m) 0815 – 0855 空沢山分岐コル(950m) 0915 – 1015 火打山川(徒渉予定点、840m,通過) 10:45 900m 1110 – 1150 850m 1210 – 1240空沢分岐コル 1320 – 1400九十九折最上部(通過) – 1445 九十九折下(660m)1500 – 1530笹倉温泉


雪洞組はよく眠れたらしい。暖かい夜だった。朝は少しガスが出ていた。焼山方面(南側)は青空が広がっているが、日本海のほうは時々雲が押し寄せてきていて、日本海低気圧の接近を感じさせる。(もっとも実際には6日の午前中まで天気は良かったようだ)
BCからの下りはまず夏道のほうを下り、林道のすぐ南のなだらかな場所を下ろうとしたが、結局林道のほう(そこそこ急斜面)に引き込まれてしまった。やはりこのくぼ地は面倒でも一回降りて登り返したほうがいいだろう。

アマナ平につくと対岸の崖の感じが違って、来た時に比べるとずいぶん黒々としている。昨日の晴天で雪が落ちたのだろうか。空沢分岐までのRF上手。荷物だけおいて空沢山へ向かう。
火打山川へ向かうところまでは順調だったのだが、いざ空沢尾根に取り付こうとしたところ、なんとスノーブリッジが見当たらない。5m以上はあろうかという雪壁の下で、川が音を立てて流れている。ここのスノーブリッジは例年3月下旬-4月上旬まで残っているという話だったが(実際twv2008(3月末)では渡れている)、全く跡形もない。こんなところまで残雪期並みである。渡れそうな場所を探しつつ沢の横を上流に向けていくが、全く無理。900mで谷が狭くなるあたりまで行ったが見当たらないので、あきらめて帰る。しょうがない。ともかく気温の高い日で、まさに春。時間も早かったので、今日中に下山してしまうことにする。空沢分岐で荷物を回収して降りる。

九十九折は行き以上に難儀することとなった。やはり昨日の晴天で相当雪が落ちたらしく、真新しいデブリで登りのトレースがあちこち埋まっている。一つ一つの規模はごく小さいものだが、相当怖い。実際に目の前でもごく小規模(点発生、走路長1m未満)ながら雪崩が発生するのを見た。九十九折もひたすら間を開けて通す。思い返してみると、この下りは突入する前に隊の動き方を全体で共有するべきだっただろう(誰かがトラバースしている間は上部にいる人は待っている、など)。大事なく下れたからよかったようなものの、Lとしてここの点は稚拙だったと反省。九十九折の下の杉林まで何とか下ってようやく一安心。ところでこの九十九折、かなりの急斜面をスノーモービルが直登したトラックがいくつもあった。どれだけ登攀力があるのだろうか。。。
雪崩跡のトラバース
 
ここから下は問題なく笹倉温泉に下り、除雪終了点でシーハイル。今年のプレツアーが終わった。蛇足になるが、この後温泉に入ってバスで糸魚川まで行き、打ち上げ。西山、梅宮、武田はカラオケオールへ行き、ほかのメンツは酒とつまみを買い込んで海岸で宴会としゃれこんだ。翌日電車にて帰京。結局6日の10時ぐらいまでは下から焼山が見えていた。日本海側の低気圧が弱く、あまり影響がなかったようだ

日本海

焼山登頂を今後企画する人へ向けた注意
正面ルート(焼山火口最低部から北北西に延びるルンゼを詰めるルート)は吹き溜まり状になっている可能性がある(しかも急)。1900m前後まで登ってスキー滑走をするには好適だが、積雪状態が悪いと上まで行くのは厳しいだろう。頂上に行くには西面ルート(坊抱岩方面から夏道めがけて上がる)のほうが可能性がありそうだ。西面迂回ルートをとろうと思った場合、かなり下のほうでトラバースすることになる(水無谷の一本東の沢が深くて厄介)。夏道あたりでも雪庇が貼っている可能性があり、最も確実なのは1540m近辺らしい。今回のアタック中に見た感じでも、そのあたりまで下れば谷は浅そうであった。なお、焼山は活火山なので、気象庁の出すマンスリーレポートなどの情報は当然確認していくこと。

弱層テストの結果
幕内・西山
0〜15 f
15〜20 p以上
20〜40 4f
40〜50f
50〜 p以上
肩2 20cm RP・60cm SP
1mに弱層アリ

梅宮・武田
0〜15 f
15〜20 p以上
20〜40 4f
40〜 p以上
腕5 20cm 明瞭じゃないけど出てきた

勝木・中津・久保
0〜25 1f
25〜30 p以上
30〜50 1f
50〜 p以上
腕8 28cm RP

(記:川原)




0 件のコメント:

コメントを投稿