藪トレ幻湿原

面子:4坂田 CL鈴木  水野 3sL大橋 茂木 2EsHW大西 sF中村 1川原 H柏嶋 深山 W野原 長根 八嶋 F村田
 
幻湿原の上の草原にて
 初藪、初トップと自分の藪人生はすべてここ、幻湿原での藪トレから始まっている。当然ながら、初企画も幻湿原となった。


6/27() 東京=TWV小屋
出発前日に体調不良による保田の不参加が決まり、急遽大西にEを託す。鈍行組は時間通りに無事渋谷に集合。誰か足りないと思ったら、単純に全体の人数が少ないだけだった。何しろ最初本ルートに取った柄沢尾根を下ることに反対した人間がことごとく参加しないもんだから( ―〆)。高市から何やらまがまがしいメロンを二つ受けとって出発。先週白髪門で雨に降られたからって・・・。渋川のあたりで人身があったということで冷や冷やするが、本数が少ないおかげで結局遅れもなく六日町着。途中雲天で小屋のカギを借り、タクシーで桜坂駐車場の手前まで行き、小屋へ少し引き返す。9000円也。八嶋がヘッドランプを忘れたということで小屋で代替品を探すが、ランタン以外によさげなものもなし。今回はOBも同時期に小屋泊するので、さすがにランタンを持たせることはしなかった。23時半頃就寝。車組は24時過ぎに着いたらしい。

6/28() 晴れのち曇り
TWV小屋4:355:20 960m 水野さん分離下山 6:107:00  1270m  7:15~8:07 1380m 8:20~9:05 水汲み  9:20~10:00幻湿原10:20~11:10  1809先コル  11:25~  12:10柄沢山 12:25~12:50コル13:10~13:30幻湿原

4時頃起床。3時頃にアラームを鳴らして起きていた1年生もいたらしい。4:35小屋出発。ここ数年通り、小屋の北側の沢の右岸の林道を850の堰堤手前まで辿り、その真下で徒渉してから尾根に取付く。今年は時期も遅いからか、水量はかなり少なかった。始めは2年会2人でトップ、中継茂木で進む。藪入り直後から水野さんが体調不良を訴えており、最初のタルミ地点で分離下山を決める。茂木と鈴木さんに林道まで付き添って行ってもらう。
なぜか茂木が消耗したと言っており、4年会に中継と本体誘導をしてもらう。1つ目の露岩は直登、2つめは左巻き。ここまで本体は順調について行っている。
 幻沢のRFではトップの右側への散開が少なく、しばらく幻沢の1本北の沢を進む。しかし、結局1440m付近で無事幻沢発見。この時期は伏流しているのか水が流れていなかった。しかし少し登ると水流が現れ、ところどころ雪渓もある。
 適当なところで水汲み。全員満発にする。水浴び中にsLは胸元にかけたメガネを落としてオロオロするが、八嶋に発見してもらい、事なきを得る。さながら沢登りのようにして、幻沢を詰めると幻湿原が広がる。今回は雪原の周囲に湿原が出現していた。明日の天気が見込めないことから、1809p先コルでのサイトを断念し、湿原にテントなどをデポ、雪原でメロンを冷やして柄沢山に向かう。トップはルートFを選択。威森松尾根を介さずに直接1809pに突き上げるルート。確かに傾斜はきついが、うまくやれば薄いところをつないでいくことができる。今後はここを通るのが良いだろう。
坂田池のほとり

こんなにいい湿原が人知れず広がっています

 湿原の広がる主稜線に上がったところでガスが広がり始める。1年会はとても楽しんでくれているようで何よりである。深山・川原あたりはテンションがMAXを越えたなどと恐ろしいことを言っている。そういえば、坂田池はちゃんと今年もあった。ただ、間違っても水計算には入れたくないような池塘である。風も強くなり、天気も悪くなってきたのでやや急ぎ足に柄沢山に向かう。ここで長根と鈴木さんが少し遅れ始め、隊がかなりのびてしまった。視界も良くはなかったので、十分にトップに注意しておくべきであった。
 柄沢山からはあっさりコルに戻り、池の周りで集合写真を撮る。幻湿原への下りもルートFの逆ルートを取る。少し北側に湾曲して下ってしまうが、それでも読みよりもかなりはやく下ることができた。
 サイトを開始したあたりから小雨が降り出す。今回のFはビーフシチューと炊き込みご飯という不思議な組み合わせ。天気図を野原と大西のほかに深山もとっていたが、野原にはさほど期待していなかったとはいえ、大西の天図も中々酷いものだった。今回の天図は深山のものを採用する。ただ、3人とも南岸の低気圧の位置が違っていたのには閉口した。正解は大西。食後のデザートに雪原で冷やしていたメロンを食べ、1年は飲まないということでジジ天だけで宴会をするが、最終的に先にオカンした鈴木さんを除く全員が入ってきた。ここで、もともと傾いていたジジ天の傾きがひどくなり、ついにポールが破損してしまう。E装の筒で応急処置を施す。
 雨の降る中、鈴木さんと中村がオカン。夜半の風が強く、中々寝付けない夜を過ごす。

6/29() 曇りのち雨
幻湿原4:30~5:25 1500m付近 5:40~6:40  1340ベロ 6:55~7:55 威森松手前p  8:05~8:40 威森松山 8:55~9:40 TWV小屋
 
 3時起床。朝サイトにも慣れてきたか、30分には分配完了。sLの茶飯は大量の雑穀(米)入りの香ばしい茶飯だった。4:25には出発の準備も整う。見ると、朝焼けが見える。過去何年もイモってきた威森松尾根を下るにはこのチャンスを逃すまいと、トップを急かせる。始めラッセルで威森松尾根に乗った後は、トップ中村大西茂木、中継坂田さん、本体誘導鈴木さんで進む。トップは植生に流され気味で、全体的に北寄りに進んでしまうが、坂田さんの適切な指示もあり、本隊を止めることもなく、何とか尾根をキープしつつ進む。本体も順調で、かなりいいペースで下っている。1人だけGPSを見て答え合わせをしようとしたが、坂田さんに止められて結局この日は一度もGPSを使わなかった。
 一回目のタルミの後、トップが全員右側に落ち、誰も尾根上にいない状況になってしまう。しばらくトラバースによる復帰を試みるが、一向にらちがあかないので、本体は尾根に上げてしまう。本隊の口数があまり多くない中、川原と深山の2人が異常に元気で、特に川原は前日のサイトでコッヘル中の熱湯をこぼし、足の甲にやけどを負っていたというのに。行く末の恐ろしい2人である。2年前の自分は絶対にこんなに元気はなかった。
 1340ベロに着いた頃からガスに覆われ、小雨が降るようになる。この先は濃い灌木が続き、これまでのよりもペースが落ちるが、ところどころ踏み跡のようなものが続いており、特に問題ない。なぜかトップは威森松手前pの手前の細いコルでタルもうとする。威森松山までロングピッチを切って欲しいという声もあり、なぜか1年会の中にも賛同者がいたが、その先のpでタルミ。そして、威守松山で藪抜け。
 威守松山は視界が無く、ただ虫が多いだけのイモピーク。これまで自分の中での評価は高い山だったのだが、一気に地に落ちてしまった。何度もぬかるんだ道に足を滑らせなが ら、小屋に帰還。小屋ではOBたちがスイカを用意して待ってくれていた。
 水野さんはすでに帰京していたので、鈴木さんが坂田車に乗ることになり、小屋で車組と鈍行組は解散。茂木が新幹線で早く帰りたいと言うので、鈍行組は越後湯沢で温泉に入り、打ち上げはなく解散。

まとめ
4年会の力に依るところが大きかったが、威森松尾根を過去最速記録?で下ったトップ陣は非常に有能だった。ただ、植生に流されないように、しっかりとコンパスを見て、角度を切って進むようにしてください。威守松尾根は制覇したので、次藪トレとして幻を出す人は是非柄沢尾根をルートに取ってみてください。

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