プレツアー 黒姫・佐渡山

2011年度山行No.57  プレツアー 黒姫・佐渡山

面子:OB3木村4菊池,鈴木,三谷3高梨,L蓜島2成田,松尾1坂田,F鈴木Jr,H野呂,E松岸,(E水野),三宅,W宮崎
3/8() 立川=黒姫
 水野が体調不良で不参加となってしまう。Eは松岸に代わってもらう。今年の一年は集合が速い。15分前には半分くらい集まっていた。成田がゾンデを忘れる。一年は電車の中でせっせと赤布を作っている。必要なのは400枚なのに後で渡されたのは600枚程もあった。松本から先は予定していた電車が終電ではないのでLと鈴木さん以外は長野で時間をつぶして終電で来るらしい。22時ころ黒姫駅に着き、新幹線で来た木村さんと黒姫でスキーをしていた三谷さんと合流。タクシーの予約を忘れていたので急いで電話する。ジャンタクで2往復ということになってしまった。23時頃全員集まり入山連絡を入れる。松崎が出ないので大城さんに電話したらwebテストの邪魔をしてしまった。明日は先発隊は4:30発、後発隊は5:20発。
 
3/9() 曇りのち雪
大橋6:106:50林道分岐7:008:051450mくらい8:158:50BC9:4010:301700mくらい10:4011:45外輪山に乗ったところ12:1012:40BC  13:00アイピケ訓練14:10雪洞・埋没訓練15:30 雪洞

 タクシーで出発するとタヌキやイノシシが出てくる。野生のイノシシを見るのは初めてな気がする。大橋に着き、準備しながら後発隊を待つ。5:45頃後発隊も到着する。準備していると「予備ストックが無くなったからな」とかいう会話が聞こえてくる。野呂がストックを忘れていて予備ストックを使うつもりらしい。聞いてみるとアプローチ中に忘れたことに気づいていたらしい。Lに報告しないとは何事か。ビーコンチェックと体操してなんだかんだで6:10発。林道分岐までは何も問題ない。登山道に入ると一年には直登できない斜面となる。尾根が広くちょうどよいので一年1人に上級生が1人付いて斜登高とキックターンの練習をする。三宅と鈴木が苦戦。ターンの時にエッジを立ててしまっているようだ。三宅はシールトップがよく外れる。鈴木は何度か転んで起き上がるのに時間がかかる。どうやら荷物がかなり重いらしい。最後は空身にして他より15分遅れてタルミ場所に着く。鈴木はF装に加え水野分のぺミカンも持っていたので荷物を少し分配する。三宅は靴が当たって脛が痛いらしい。そういえば12月合宿でも同じようなことになっていた。このころから少し雪が降り始める。1530mあたりのBC予定地に着き、雪洞を掘ることを考えて場所を選びテントを張る。アイピケをデポして外輪山まで行くことにする。尾根上は凸凹していて部分的に急登となり三宅・鈴木・宮崎は苦戦。野呂も初めてなのにそれ程苦労していない。三宅と宮崎のシールトップがよく外れる。二人とも板の太さに対してシールトップの金具が小さくあまりはまっていない。途中一か所右側に落ちたら怖いところがあり、一年にはクトーを付けさせる。鈴木はクトーの付け方が分かっていない。1700mくらいでタルミ。この先も三宅は脛が痛いらしくペースが上がらない。ロングピッチを切って外輪山の端に到着。たるんでモスる。滑降用に別のルートを取っていたが今回は登ったところを下りることにする。一年は皆準備が遅い。雪は締まっていてスキー場の様。一年は思ったよりそつなく滑っている。途中三宅が転んでスキーを流す。流れ止めをつけていたがマジックテープが効かなくなっているようだ。それ以外は何もなくBC着。まずアイピケ訓練。2,3年で一年の指導をし、上級生には埋没訓練の準備などをしてもらう。アイゼンを着けるときに鈴木がアイゼンを壊す。ワンタッチアイゼンの踵の調節する部分の外れるはずの無いところが外れていた。部品が割れたりしたわけではないので三谷さんに修理してもらうことにして取りあえず鈴木はアイゼン無しで形だけ練習することにする。アイピケ訓練終了間際に修理が終わり、鈴木は少し居残り訓練。次は雪洞・埋没訓練。雪洞を掘らせつつ1人ずつ呼び出して埋没訓練。1人埋めた後で次を呼び、埋まっている人には声が届きにくいことを確認し、埋まった人をゾンデでつついて感触を確かめさせる。埋没が終わったら一年にはそのまま雪洞を掘らせてジジイでサイト。坂田が持ってきたはずのお玉が行方不明。天図も松尾に取ってもらう。16:30頃飯ができる。具が多くてボリュームたっぷりのミネストローネ。夕食後は一年はまた雪洞を掘りに戻っていく。今日は時間も遅いので宴会なしにしようと思ったが、ジジ天の達ての希望ですることになる。高梨さんの差し入れが大量すぎて今日も宴会しないと消費しきれないということらしい。高梨さんの差し入れの量は本当に半端じゃなかった。高梨さんに挑もうというやつが出てくると困るので詳しくは書かないことにする。ちなみにテント割はL天:L,鈴木,三谷、ジジ天:木村,菊池,高梨、成田天:成田,坂田,鈴木Jr,野呂、松尾天:松尾,松岸,三宅,宮崎。途中で三谷さんからお汁粉の差し入れ。19時頃三宅、松岸の雪洞が完成。20時には全員完成して宴会開始。21:30頃就寝。
※「モスる」とはテルモスを飲むこと。らしい。

3/10() 曇り 小黒姫
BC6:307:00大タルミ~7:20 1680m7:308:20沢状1750m8:30(タルミ2回計20)11:35小黒姫12:2013:35BC 14:00ビーコン、支点作成・SAB 18:00

45半だが5時ころ成田天から火が付かないという報告が来る。またか。火がつかないのは換気が出来ていないからだということをいい加減学習してほしい。それにしても自分がサイトに関わっていたときにはこんなことは無かったのになんで最近こんなことが多いのだろうか。しかも報告遅すぎ。結局成田天の分配完了は5:255:45撤収とするが遅れる者多数。分配が速かった方も遅れているのが気に入らない。最近松尾はいつも一番に撤収していて優秀。宮崎のシールトップが切れて交換。三宅は予めシールにテーピングを巻いておく。昨日の夜の雪で溝がほぼ埋まっていた。一年はよく眠れた人2人、そこそこ眠れた人2人、あまり眠れなかった人2人。結局1時間の出遅れ。新道分岐を経由せず直接大タルミへ。大タルミからはしばらく斜登高を繰り返し、1680m位からトラバースに入った。トラバースの途中、一年が何人か横滑りしてしまっているのでクトーを着けさせる。今日の雪は硬い面の上に新雪が乗っていてなかなか難しい。坂田がクトーを着けるのが遅い。他の一年と違ってもうスキー山行3回目なのにいい加減にしてほしい。結局松岸が着けていた。2,3分で着くはずのものに15分以上かかった。小黒姫と外輪山の間の沢状の1750m付近に出る。三宅はやはり脛が痛いらしくペースが上がらないので空身にする。ザックの中身を少し分配し、上級生で代わる代わるダブルザック。小黒姫の尾根に乗るところでトップのルート取りがイモい。1820mくらいに来ると前にかなりの急斜面が見える。二つ尾根が見え間は無木立となっている。今回登るのは右の尾根。樹林帯をつないでいく。隊の後ろの方にいる鈴木と宮崎が遅れる。技術の問題もあるが、前の人が表面の新雪を落としてしまうので後ろの人にはクラストした斜面となって登りにくい。クトーを着けているが上手く使えていない。野呂が途中で3m程滑落した。宮崎も少し滑落した。1つのトレース上を行くとひどいので上級生がいくつもトレースをつけて一年を分散させることにした。やっとピークに到着。モスって滑降準備。滑降用に登ったルートの少し東側にルートを取っていたが、そちらが怖そうだということで少し考える。登ってきたルートは滑りにくそうなのでできれば行きたくない。結局成田と鈴木さんに偵察に行ってもらうがあまり先が見えないということだったので少し入ってみて無理そうならトラバースして登ってきた尾根に戻る方針とする。急ではあるが滑るのにちょうどよいくらいの樹林帯が見つかりそこを滑る。ここの斜面はそこそこ楽しい。雪質が残念だったが。野呂がやや苦戦。後傾してしまっている。鈴木もよく転ぶ。登ったルートと合流し、トラバースに入る。途中でルートを外して大タルミを経由せず直接BCを目指すルートをとることにする。トップがしょっちゅう地図読みのために立ち止まる。昨日通ったルートと合流しても気づいていないのか立ち止まっている。BCに戻りビーコンとSAB・支点作成の訓練。二つに分けて並行してやるが、支点作成の指導を丁寧にやりすぎて時間がかかりすぎた。天図は木村さんに取ってもらった。19時に分配完了。やはり成田天が遅い。水づくりも成田天は圧倒的に遅く終わったのが21:30。さすがにそのまま就寝。ジジ天もそのまま就寝したはず・・・。

3/11() 晴れ 佐渡山
BC6:006:20林道分岐6:40(タルミ1)8:25南コル8:359:35佐渡山10:3511:15沢を渡るところ11:3012:20 1550m12:3013:00大タルミ13:1513:35BC

 今日も準備が遅く30分出遅れ。林道分岐まで下ってシールを着ける。三宅が遅く、というか一年はほぼ全員遅く出発までに20分もかかる。今日も登りで苦戦するかと思ったが意外と順調に進む。昨日がいい練習になったのだろうか。雪質も昨日よりはだいぶ登りやすい。朝食の話になり、松尾が考えたNSCのようにかっこよく略せる朝飯を作ろうと言うことになる。3月合宿Fの松岸がFBI,CIAのように略せるメニューを考えてくることになる。楽しみにしておこう。南コルから一応クトーを着けさせたが必要なかった。今日は天気が良く気持ちがいい。尾根に上がると少しガスがかかっているが乙妻が見える。尾根上は東に雪庇が出ているので注意して進む。今日は一応竹竿を持ってきていたが、木に引っ掛かってものすごく鬱陶しい。特に何事もなくピークに到着。黒姫は雲がかかっていて見えないが、小黒姫は見える。妙高も、松尾が企画する焼山も見えている。昨日までの様子で一年も滑走は大丈夫そうなのでORの北東斜面を滑ることにしていたが、雪庇が出ていて滑り出しが怖そうなので松尾と高梨さんに偵察に出てもらう。上部は少しだけ無木立だが、すぐ樹林帯で行けそうなところがあるとのこと。一応弱テ。手首で5cmと肩で60cmくらいに弱層がある。無木立部分は1人ずつ通過することにする。どれをバックにするか迷うが乙妻をバックに記念撮影して出発。滑り出しの無木立斜面はかなり気持ちがいい。ブログにアップされた滑りの写真はここ。樹林帯に入ってからもそれ程密ではないので皆好きなところを気持ちよく滑る。今日も野呂が苦戦。木が密になればなるほど後傾が目立つ。斜度が緩くなり目の前に沢が出てきたところでシールを付ける。この沢を渡ってしばらく行くと現在地について鈴木さんとその他の意見が食い違う。鈴木さん以外は目の前に尾根のようなものが見えていたのでまだ1738から伸びる尾根を回りこんでいないと考えてそのまま進もうとした。しかし、小黒姫や佐渡山の角度を測ると鈴木さんが正解だった。どうやら北に来過ぎてしまったようだ。トップは角度を切っていたようだが沢を渡るところを選ぶ際に北に進んでしまったためのようだ。それにしても天気が良くて小黒姫・佐渡山が見えていたから良かったが、見えていなかったら気付かなかったかもしれない。大タルミへの登りは最初は急登。一年はだいぶ消耗しているようだ。この急登を越えたあたりで三宅が疲れてたるみたいというのでたるみ。ちょうどタルミの時間だった。三宅はシールの着脱が遅いためにタルミ中に行動食を食べられていなかったらしい。また、登りの時にシールに雪がついてしまってだいぶ消耗したらしい。大タルミからは直接BCを目指すのでシールを外さずに行こうかと思ったが、木村さん、鈴木さんの勧めで外すことにする。何度か沢を渡るところは少し面倒だったが、結果的には外してよかった。BCに着くと一年は疲労が目立つ。松岸の靴ずれがかなり痛そう。昨日で雪訓が終わっていたので今日は暇。ジジイはイグルーを作ろうと言っていたのでサイトは3時半からということにして早速取り掛かる。15人入れるものを作ってイグルーで宴会する計画だ。木村さんの指名でイグルー隊長松尾だが、結局木村さんが指揮を執っていた。一年も宮崎・鈴木・坂田が加わった。あまり考えずに作り始めたので下の方のブロックが小さく、しかも垂直な壁で一向に天井が閉じそうになかった。雪も降りだしどんどん士気が下がっていくのでその壁の内側に作り直すことにする。今度は順調に進む。3時半になっても完成しそうになのでサイト開始を4時半に延期。木村さんがかなりアグレッシブに内側に傾けて行くので冷や冷やしたが崩れることは無かった。4時半になって2年以下はサイト開始。17時頃なんとか完成。最後に中に円く穴を掘って机と椅子にする。少し窮屈かもしれないが15人は入れるだろう。結構疲れたが楽しかったし大満足だ。飯を食って水づくりをしてイグルーで宴会。入口から風が入ってくるのでテント程は暖かくないが外に比べれば十分暖かい。酒もつまみも十分。毎回こんな感じで宴会できたらいいのだが。日本海低気圧が来ているので明日の天気は悪そうだがずっと森林限界下なので本ザックで出発して縦走を目指すことにする。21時半頃就寝。
 
3/12() 雪 風やや強い 黒姫縦走を目指すも敗退
BC6:20(タルミ2回計30)9:00外輪山に乗ったところ~9:10敗退決定~9:25シール外す9:4010:30BC10:4011:30大橋

 45半だが、雪洞やイグルーをつぶすのに時間がかかりだいぶ出遅れる。最初からクトーをつけて行く。風が強いので目出し帽やゴーグルを出させるために少し止まる。木村さんのシールは粘着力が完全に死んでいてテンションだけで板に着いている。宮崎のシールも何度か剥がれた。上級生も含めゴーグルが曇ってしまっている人が多く、何人かは雪面もよく見えず登りに苦戦しているようだ。ゴーグルの曇り対策をもっと考えるべきだと思った。鈴木と野呂が何度か転ぶ。一年は結構疲れているようだが本ザックなのに初日とだいたい同じペースで登れている。2回目のタルミで時間的には余裕だし、一年も皆行けそうだと言うので縦走できるかなという気になる。しかし外輪山に乗って少し進むと強風で数秒間ホワイトアウト状態になる。ここで進退判断。日本海低気圧が近づいているので良くなることは無い。今は視界が100m以上あるが悪化する可能性が高く、視界が限られた状態で東尾根を初見滑降することはややリスクが高い。一年は口では大丈夫だと言っているがだいぶ疲れている。プレツアーであり無理すべきではない。ということなどから敗退することにする。この辺りは樹林が密で滑降できそうにないので少しシールのまま戻って滑降準備。ここでもシールを外すのが遅い。雪質は今までで一番いいのだが、本ザックなので残念。一年は本ザックスキーに苦戦。特に野呂は良く転び、復帰に時間がかかる。BCでたるんでモスる。「モスる」という言葉をここで初めて聞いた。新道分岐を過ぎ、ルートより一つ東の尾根に入ってしまう。こんなところでルートを外すと思っていなかったので地図読みを怠っていてどこで間違えたのか良くわからなかった。西寄りに進んでルートに復帰。あとは林道をサーと滑っておしまい。大橋からジャンタク1+普通2で黒姫駅へ。ここで黒姫スキー場へ向かう三谷さん、宮崎と別れる。隣の妙高高原駅に温泉があるとのことなのでそこに行くことにする。早く帰りたい三宅と終電が1人だけ早い成田もここでお別れ。のんびり準備していたらみな乗り遅れそうになる。高梨さんと菊池さんは乗り遅れて(??)ここでお別れとなってしまった。松本の温泉にでも行ったのだろうか。妙高高原駅から15分ほど歩いて香風館で日帰り入浴。700円で貸しタオルつき。とても感じのいいところで、お風呂もきれい。雪の中の露天風呂はやはりいい。カミソリ、歯ブラシも置いてある。700円でこのグレードはなかなかないだろう。駅に戻って駅前のそば屋で打ち上げ。皆腹ペコなので8人で11品も頼む。予定していた電車にぎりぎりで乗り込み解散。
 
まとめ
 かなりハードなプレツアーとなった。急斜面も多かったのでいい練習になっただろう。実際初日に比べるとかなり上達している。これなら3月合宿も楽しめるだろう。ただ、シールやクトーの着脱などが遅すぎる。装備の扱い方などもう一度確認しておくこと。サイトや撤収もかなり遅いので荷物の整理に努めること。黒姫を縦走できなかったのは残念だったが、小黒姫がメインピーク、黒姫はその外輪山に過ぎないと考えればまあいいだろう。雪訓も一通りできたし、イグルーも作れたしかなりいい経験になったのではないだろうか。

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