新人練成 男体山・女峰山

山行No.6 新人練成 男体山・女峰山 企画者:大城

面子:3 L藤井、山岸 2 F伊佐、sL大城、HW塚田、E高橋 1 菊池、鈴木、長崎、三谷

初企画ということで新人練成ではポピュラーなこの山域を選んだ。どうせ行くなら男体・女峰ともに打ちたいと思った。例年であれば霧降高原からの入山になるが、今年は特に積雪が多いということを考慮し南面の黒岩尾根を経て女峰・男体と登るルートをとった。標高差1800mという女峰山では最もきついルートであるがそれだけに山の大きさを実感できる良いコースであったと思う。




5/16(金) 雨
北千住=東武日光▲0
0830に北千住集合。日光までは東部線で行く。sLは大学の用事で遅れてJRで日光へ。東武日光で合流。あいにくの雨だが駅の脇に屋根のついた10人くらい寝られそうなスペースがあったので今日はここで駅カンすることにする。寝る準備をしていると、塚田が米と過去一週間分の天図を忘れたことが判明。予想天図はあったので見せてもらうと明日はどうやら天気が回復しそうである。明日は予定通り女峰を打つことを連絡し1130頃就寝。
5/17(土)快晴のち曇り
東武日光0410~0450 700m付近0540~0630 1000m付近0640~0720 1300m水場0740~0830 1600m付近0840~0927拝遙石(黒岩展望台)0937~1040 2100m付近1050~1157唐沢避難小屋1238~1317女峰山1339~1424唐沢避難小屋1446~1500小屋下水場1520~1555 1850m付近1628~1710馬立▲1
今朝は雨も上がり青空が顔を覗かせている。0400頃体操・出発。しばらくはバス通りを歩く。歩き始めてすぐ男体山が目に飛び込んできた。やはり山頂付近は下界からでもしっかり確認できるくらい雪がついている。これからの行程に多少の不安を感じつつ進む。登山口から続く石畳の途中で最初のタルミ。ここで長崎が行動食とゴアマをもっていないことに気が付く。パッキングチェックの時にはあったそうだが昨晩は見た記憶がないという。幸い登山口が近かったので数人が長崎と引き返し、コンビニで雨具と行動食を購入。何とか事足りた。ところが、行者堂を過ぎた直後どうも道が地形図と合致しなくなる。行者堂のすぐ後に分岐があり直進しなければならないのだが、地形図では一本道でまた左側の道の方が明らかに広いのでトップはこちらに進みsLも確認を怠っていた。トップが伸びるが結局手前の分岐でRFを誤ったことが分かる。ここでも15分ほどのロス。
車道出合を過ぎると道は広々とした笹原の中を緩やかに登っていく。少々暑いが、快晴の空の下笹にツツジの混じった高原を歩くのはなかなか快適、と思っていると伊佐がバテ始める。ここでバテるとは流石伊佐。水場が近かったのでここで少し早めにたるむ。あまり調子が良くなさそうなので水2発を抜くことに。誰に持たせるべきか迷ったが、先ほど水を出した鈴木とまだ2発持っている三谷が持てるというので1発ずつ持ってもらうことにする。ちなみに、水場の水は水流が細くあまりきれいとはいえない。
さらに進むと徐々に傾斜が増していき、植生もカラマツ、白樺と変化していく。1700mを過ぎたあたりからガスがかかりはじめた。1800m付近からは赤茶けた火山岩の露岩帯となるが特に危険はない。黒岩のトラバりでガレ場を通過。このガレ場は足場が比較的安定しているが距離が長く、通過に10~15分はかかった。ガレ場を抜けると遙拝石(黒岩展望台)。ガスのせいで展望はあまりない。岩場までしんどそうにしていた伊佐のペースが上がったので、ポリを伊佐にバック。「久しぶりのガレ場でテンションが上がった」by伊佐。タルミの直後、菊池が足の痛みを訴える。両足の太腿がつったらしい。しばらく止まり回復を待つことにする。10分ほど休憩すると良くなってきたようなので菊池をセカンドにして再び登り始める。2030m付近で黒岩尾根コース唯一のクサリ場が出現。岩の左側に付けられたクサリを頼りにトラバースする。距離は2m程度と短いがややオーバーハング気味で、1年は挟んで通す。
2050m付近よりコース上に雪が現れ始め1年にはキックステップを教えながら進む。2150m付近まで来ると樹林帯ということもありコースのかなりの部分が雪に覆われているが、雪は締まっておりわりと進みやすい。竜巻山まで登ると女峰の山頂部が目前に迫ってくる。登山欲をそそる峻峰だ。ここまで来れば小屋までもうそれほど距離はないのだが、前女峰のトラバりは雪がついているため進みにくく思いのほか時間がかかった。スパッツは唐沢小屋で装着。L権者二人と共にこれからの方針を練ることにする。山頂への登りはなかなかの急傾斜だがトレースがあることと登りやすい雪の状態であることからサブ装なら登れると判断し、小屋にデポを作りサブ装ピストンすることを決めた。さらに小屋前の平地は雪で覆われておりテントを張るのにあまり適していないため今日中に馬立まで下りることにする。
山頂へはキックステップを切りつつ慎重に進む。傾斜が急なためトップはきつそうだ。1年は適宜挟む。40分ほどで山頂。ピークは木が生えていないが、直下まで樹林帯となっているため実質的に森林限界は無いといってよいだろう。白根山はかろうじで見えたが男体山はガスの中に隠れてしまっている。頂上ではたまたま鉢合わせたK大ワンゲル部の一行と互いに写真撮影をしたりして、20分くらいしてから引き返した(途中一度雷のような音が聞こえた。ラジオを付けるが空電は入らなかったためそのまま進んだ)。
小屋から10分ほど下ったところで水を汲む。水量は多いとの情報だったが、沢全体が雪に覆われてしまっているため沢上の雪面に一箇所開けられた穴から沢の水を汲むしかない。予想外に時間を食う。積雪状況によって水場の状態が大きく変化することをもっと認識しておくべきであった。水場を後にしたのが3時20分。4時までに馬立には着けそうもないので途中でいったん隊を止めてWの塚田に天図を取ってもらう。せっかくなので1年生にも教えつつ書かせることに。荒沢出合は水涸れしていた。大きな岩の上を渡っていくので、増水時でもある程度の水量なら渡渉は問題ないだろう。
結局、馬立に着いたのが5時過ぎ。1年生は疲れて皆ぐったりしていた。サイマスの伊佐が林道を少し外れた芝生上に広いスペースを見つけてくれたので、ここにテントを張ることにする。鹿の糞が多いことだけが難点。初めはサイトワークに慣れない1年生も、2年生が指導するうちに段々と積極的に仕事をこなしてくれるようになった模様。肉じゃがを作って食べ山岸さんの差し入れのチーズをいただき、シュラフに入るとあっという間に眠りに落ちてしまった。
5/18(日)曇りのち晴れ
馬立0435~0525 1760m付近0535~0635 1900m付近0645~0740 2230m付近0750~0850男体山0920~1010 2100m付近1020~1110 五合目1120~1220二荒山神社
3時起床。睡眠時間が短い。CCGを食べ4時撤収。若天の1年生は食べるのが遅かったらしいので、朝はもう少し早めに食べることを意識して欲しい。撤収はわりと早かったが鈴木がパッキングに少し手間取る。林道を歩き出すとすぐにパラッときたので念のため雨具&ザックカバーをつける。1時間ほど歩くと志津小屋に着いた。小屋自体はそこそこきれいだが、水場は濁っていて飲む気がしない。小屋を過ぎるとすぐに雪が出てきた。積雪は多いところで50cm程度あったが、雪質は昨日よりも締まっておりトレースもかなりしっかりしているため歩きやすい。たまにクラストしている部分はあるが危険なほどではない(雪の状況はこの後もあまり変化しなかった)。樹林帯を登っていると、日が差し込んできた。いつしか雲はすっかり取れ快晴の空が広がっている。これなら男体山山頂からの眺望にも期待がもてる。単調な樹林帯の中をしばらく登り2225ピョコを巻くあたりでガレ場を通過するがここは問題ない。日当たりが良いためかえって雪は少なくなっている。
順調に進み外輪山に出たところで、またしてもガスってきた。中禅寺湖方面の展望が全くない。残念!8時50分山頂着。山頂には大きな鉄剣が立っていてここでも記念撮影。付近には鳥居やら石像やら祠があちらこちらにあって、いかにも信仰の山という雰囲気だ。30分近くゆっくりした後下山を開始する(ちなみに地図上では2400m付近から森林限界だが、実際は山頂付近にも樹木があった。温暖化の影響?)。
下り始めてすぐ、既に八十を数えるという登山者に話しかけられた。今まで男体山に1000回以上登ったという。このような人もいるのだと感心しつつ下山を続ける。下りも八合目あたりまで雪があったが登山道の部分はほとんど雪がついておらず歩きやすい。2200m付近からはひたすら急傾斜のガレ場を下る。それにしても表男体は人が多い。いい加減挨拶に疲れてくるころようやく傾斜が緩やかになり四合目の車道に着いた。携帯が通じる。菊池が、足先が少し痛いと言っていたがこれからの道はさほど傾斜もないのでそのまま頑張ってもらうことにする。車道をそれて再び登山道を歩くこと1時間余り、立派な二荒山神社の鳥居をくぐって練成はフィナーレを迎えた。
この後、近くにあった中禅寺湖を見渡せる温泉に入り、階下のカレーバイキングで打ち上げ(用事のあった三谷は一足先に帰宅)。バスに乗ろうとするが人が多くて乗せてもらえず(立ち乗り禁止!)。近くの中禅寺温泉バスターミナルで降りる人が多いらしくここまで歩くことにする。タクシーを呼ぶことも考えたがターミナルの観光案内所でタクシーはないと言われる。が、反省会をしつつバスを待っているとタクシーがやって来てちょうど9人乗れるという。運賃は路線バスと同じ1100円/人。これはラッキーということで乗る。小さな会社で日光周辺はどこでもバスと同額で乗せていると言っていた。何故かパンを頂いた。運転手さんの口からマシンガンのように飛び出す話を聞きつつ東武日光へ。駅で反省会の続きを終え帰宅の途に着いた。
まとめ
まずは男体女峰共にピークを踏むことが出来て良かった。新人練成としてはハードな部類に入ると思うが1年生は皆よく歩いてくれた。積雪状況は想定よりも若干少なめなくらいであったが、雪質やトレースの有無によっては女峰手前で引き返すことや、ER下山も十分有り得たと思う。予想していた積雪状況をピッチ読みやサイト場の設定に十分反映させていなかったことは反省点である。

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